ミトコンドリアと活性酸素
 
ミトコンドリアと活性酸素
ミトコンドリアとは、
- 細胞全体の10-20%がミトコンドリア
- 直径約001mm (水素は、ミトコンドリアの10000分の1).
- 細胞によって、100~3000個ものミトコンドリアが含まれる。
- 最も重要な働きは、体や臓器を動かしたり、考えたり、生きるために必要なエネルギーを作り出すこと。
酸素は、エネルギーをミトコンドリアで作るために必要ですが、取り込まれた酸素の1~2%は、エネルギーを作る過程でどうしても体に有害な活性酸素に変わってしまいます。
ミトコンドリアでは、電気エネルギーを利用してATP(アデノシン三リン酸)という物質を合成します。この合成の際に、ミトコンドリアを包む膜の上で、時々電子がこぼれてしまいます。ミトコンドリアには高い電圧がかかるので、これは仕方の無いことです。
電子はミトコンドリアを包む膜の上を流れては、ミトコンドリアに大きな電圧を作ります。電子が同じリズムでゆっくり歩いていれば膜上から落ちる頻度は少ないのですが、おとなしく立ち止まっていた時に、急に走り出せという命令が出されると、慌ててしまって電子がこぼれ落ちます。これは、例えば酸欠状態の時に急に酸素が入ってきたような状態です。
また、限られた面積の膜上で電子が混みあった状態になると、電子が溢れ出て落ちます。これは、ミトコンドリアの電圧が高くなりすぎた状態で、一瞬でも電圧が高くなりすぎた瞬間に電子はこぼれ落ちます。
このこぼれ落ちた電子が近くにある酸素と結びついてしまったものが活性酸素です。
ミトコンドリアの質と量が、活性酸素の発生する量に大きく関わっています。
ミトコンドリアの数が少ないと、オーバーワークして電子もこぼれやすくなりまる。
ミトコンドリアの質が悪いと、オーバーワークして電子もこぼれやすくなりまる。
ミトコンドリアに、過度な負担がかかった場合にも、活性酸素が出来ます。これは、急激な変化があったり、無理にエネルギーを作ろうとする時です。
脂肪を燃やす場所もミトコンドリアです。ミトコンドリアで酸素を使って脂肪を代謝(燃やす)します。
活性酸素
善玉活性酸素
(殺菌や生理活性の働きをする)
- スーパーオキシドラジカル (superoxide radical) O2–
- 過酸化水素 (Hydrogen peroxide) H2O2
- 一酸化窒素 (nitric oxide) NO
スーパーオキシドラジカルや過酸化水素は、体内で以下の働きを担います。
- ミトコンドリアの質を向上させる機能を担う。
- 血管を作るのに必要
- 精子を作るのに必要
- 一酸化窒素は血管の拡張や神経機能にも必要
- 免疫作用では、侵入してきた細菌やウィルスなどの外敵を攻撃する重要な役割を担う
免疫細胞では、スーパーオキシドを作り、過酸化水素に変換し、別の酵素によって、次亜塩素酸(漂白剤にも含まれている殺菌作用の強い成分)を作り、細菌を殺します。
しかし、善玉活性酸素も、多くなりすぎたり、ミトコンドリアに負担がかかりすぎたりするとさらに電子を受け取り、悪玉になり、細胞や遺伝子を傷つけます。
悪玉活性酸素
( フリーラジカル = 反応が過激で自由気ままに体を傷つける)
- ヒドロキシルラジカル (最も酸化力が強く、100倍以上) (Hydroxyl Radical) OH
- ペルオキシナイトライト (peroxynitrite)NO +O2-→ONOO-
悪玉活性酸素は、細胞、タンパク質、脂質などを無差別に酸化して破壊します。
活性酸素が生じるのは、
- ストレスが多い時
- エネルギーが急に少なくなった時
- 急に酸素が入ってきた時
- 早食い、大食い
- 環境汚染やたばこなど。
1. ストレス
心理的にも、肉体的にも、不快な状態が持続すると、
- 副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが分泌され
- → 血管が収縮し
- → 血圧上昇、血糖値上昇
- → エネルギー源となる酸素と糖分が急激に全身に供給され (臨戦態勢になる)
- → 一時的に血流が早くなり血管が収縮するので、すぐに酸素不足になる
- → ストレスが続くと、その緊張をほぐそうとして
- → 酸素が足りない状態から酸素が豊富にある状態へと急激に変化し
- → 活性酸素が発生
ストレスは、活性酸素を発生させるだけでなく、免疫機能も低下させます。
ストレスによる活性酸素の害である記憶力低下は、水素水を飲むと防げることがわかりました。
- 急に酸素が入ってきた時
血液がとまって酸素が不足している時よりも、酸素が入り込んだ時の方が危険です。この場合、活性酸素が大量発生して、血管や細胞を破壊してしまいます。
- 早食い、大食い
食物が胃に到達すると、消化管のミトコンドリアは急いで消化酵素を作り、消化液を分泌する必要があります。早食いや大食いをすると、この時、ミトコンドリアに過度の負担がかかり、多くの電子がこぼれ、活性酸素が多量に出来てしまいます。
- 環境汚染やたばこなど
環境にあふれた汚染節質や異物は20万種類もあり、解毒する時に、善玉活性酸素が活躍します。
しかし、善玉活性酸素がありすぎると、一部が悪玉ヒドロキシルラジカルへと変化してしまい、自分の細胞を傷つけます。
多種の異物に攻撃されると、それぞれに対応するための酵素が増えて解毒しようとすします。それにより、ますます活性酸素が増え、一部は悪玉ヒドロキシルラジカルに変化するという悪循環に陥ります。
水素水はヒドロキシルラジカルと結合して、体に無害な水に戻してやることができます。
悪玉活性酸素を減らすには
ミトコンドリアを増やすこと。
それには、
- 姿勢を良くする
- ちょっと汗ばむくらいの運動をする
- 運動前にご飯を食べない
- マッサージをする。
ミトコンドリアの質を良くすること。
それには、
- 運動する
急にエネルギーを作らないようにすること。
それには、
- 早食いをしない
- 無酸素運動を避ける
以下を避ける
- 飲み過ぎ
- タバコ
- 睡眠不足
- 不規則な生活
- ストレス。
運動
運動により、善玉活性酸素(スーパーオキシドラジカルや過酸化水素)が増えると、そのシグナルによって、細胞内で活性酸素を除去する酵素が増やされ、活性酸素を消すシステムも発達してきます。
一旦活性酸素を消すシステムができると、後で急に活性酸素が生じてしまっても、その害を減らしてくれるように体が反応します。
ミトコンドリアに高すぎる電圧がかかると、電子を間引いて電圧を下げる電圧調整のシステムがあり、これも善玉活性酸素のシグナルによって増強されます。
準備運動やクーリングダウンで急激な変化を避けることにより、悪玉活性酸素の発生を劇的に抑えることができます。
42才くらいから、年齢とともに活性酸素のレスポンスが弱くなってしうため、若い時は運動から生じる活性酸素のプラス面が大きいのですが、年齢とともにプラス面が小さくなっていきます。そのため、高年齢で運動する時には、徐々に運動量を増やすなど、運動法を考慮する必要があります。